Project02
共創する仕事たち。
捨てられていた食品に、
命を宿すプロジェクト
~国分グループ×サステナビリティ~
干し芋製造時に廃棄されていたサツマイモの端材を活用し、新たな商品を生み出した国分グループの挑戦。メーカー・卸・小売が垣根を越えて手を取り合い、「三方良し」のスキームを構築することで、フードロスや廃棄コストといった課題に対する答えを提示。そこにあったのは、食の未来を信じる人々の想いと、損得勘定を超えた誠実なつながりでした。
PROFILE
Furukawa古川
新卒入社(エリアキャリア)
生物産業学部 卒
国分フレッシュ・フードトランス株式会社
低温事業部 営業五課
大学在学中、農家のアルバイトで作物の廃棄という現実に直面したことをきっかけに、一次産業の課題解決を就活のテーマとして志すようになった。2022年に新卒で入社。今もその志は変わることなく、低温事業部の営業として生産者に貢献できる仕事を模索している。
Masui益井
キャリア入社
農学部 卒
国分フレッシュ・フードトランス株式会社
マーケティング部 デリカ推進課
2022年、国分グループに中途入社。前職では冷凍食品メーカーで営業を担当するなど一貫して食品業界に携わる。経営学に触れたことを機に、サプライチェーンにおける自身の立ち位置を変えてみたいという興味が芽生え、国分に転職。デリカ推進部門で中食事業の拡大に尽力している。
Kawamoto河本
新卒入社(グループキャリア)
生活科学部 卒
国分グループ本社株式会社
低温フレッシュデリカ統括部 戦略推進室
2016年に新卒で入社。大学で栄養学を専攻していたことから、食品業界に関心を持つ。就活を通じて国分が展開する多種多様な事業を知り、広く食と向き合える可能性に魅力を感じて入社。配属以来、デリカ(惣菜)分野で経験を積む。
Nakagawa中川
キャリア入社
政治経済学部 卒
国分フレッシュ・フードトランス株式会社
デリカ事業部 営業二課
「多くの人との関わりを通じて成長したい」という思いと、食という身近な商材に魅力を感じ、新卒時から食品卸へ入社。そこでの出会いを通じて国分グループとの交流が生まれ、「この人たちと働きたい」と感じ、2020年に転職。食を通じて笑顔を創出することをモットーに、営業活動に邁進している。
※所属部署・掲載内容は取材当時のものです
TALK_01
廃棄されていたサツマイモの端材が、
新たな商品に生まれ変わる
益井
このプロジェクトは、それまで廃棄されていたサツマイモの端材を活用して商品化し、販売するという取り組みです。きっかけは2020年頃、とある干し芋メーカーから、サツマイモの加工にあたって大量の端材が生じているというお悩みを相談されたことでした。既存のルートでは活用する方法が無く、多くが廃棄されていたのですが、処理にも多額のコストが発生していたことや、フードロス・環境配慮の観点からも早期に解決したいというニーズがありました。
河本
私たちデリカ推進課は、国分グループの中食事業(惣菜など)の拡大に向けて、営業支援やグループ各社の連携の強化を担う部署です。今回のご相談を受けて、干し芋メーカーの工場を訪問し、端材がどんなものなのかを見学したり、使い道のアイデア出しを進めました。商品化への道筋が見えてきた段階で、販売先を探すために営業を巻き込んでプロジェクト化。私と益井さんが、メーカー・小売業・営業担当をつなぐハブとして全体をコーディネートする役割を担いました。
中川
販売先としてまず最初にアプローチしたのが、私の担当している低価格帯のスーパーマーケットでした。私は普段、スーパーマーケットのデリカ(惣菜)部門への営業・提案活動を行っています。今回のプロジェクトは、廃棄される原料を活用して手頃な価格で美味しさを届ける取り組みということで、得意先も当初から強い関心を持っていました。
益井
得意先と協力して、試作を繰り返すところからスタートしましたね。芋ようかん、芋あん、さつまいもパイなど、いろんなものを作ってみんなで試食して。だけど端材って、皮が混じっていたりして、見た目が良いわけじゃないんですよね。そこで端材自体を衣で包むことができ、見た目の問題をクリアできるコロッケに最終決定しました。製造を外部に委託するとどうしてもコストが上がってしまうため、得意先のスーパーマーケットが自社で保有している工場で製造することになりました。つまりモノの流れとしては、干し芋メーカーが端材を出荷し、スーパーマーケット側はそれを受け取って、製造・販売までの全てを行います。国分はその中間で両社をつなぐ役割として、端材の出荷〜納入まで流通や、数量の調整などを担いました。
中川
そして2023年、捨てられる食材を再利用したさつまいもコロッケとして商品化され、ついに店舗での販売が実現しました。普通のコロッケよりも安くて大きなサイズだったので好評でしたね。周辺企業からの関心の高まりも感じる中で、食品業界の展示会にそのコロッケを出展したところ、コンテストで入選することができました。それを機に、注目度が一気に上がりましたね。
古川
そこで興味を持ってくださったのが、私の担当している高価格帯のスーパーマーケットでした。私は中〜高価格帯のスーパーマーケットに向けてお惣菜と日配(パンや牛乳、豆腐など)の営業活動を行っており、仕入れ・納入だけでなく、陳列の応援、工場視察、売り場づくりなど、さまざまな形で得意先の販促を支援しています。今回のプロジェクトでも、商品の試作や商品名のアイデア出し、工場視察などを得意先と一緒に行いました。
TALK_02
同じゴールを共有できたことが
成功へとつながった
河本
サツマイモの端材はこれまで食用として活用された前例が少ない原料だったため、まずは「安全に食べられること」の担保が不可欠でした。そこで早期に得意先を干し芋メーカーの工場にお招きして、どのような工程で端材が発生し、どのように管理しているのかを実際に見ていただく時間をしっかり作った上で、原料の品質管理や規格の基準を策定いただくよう働きかけました。
中川
そうした動きにスピード感を持って取り組んでいただけたのはありがたかったですね。プロジェクトの初期段階で得意先・メーカー・国分の3社間での一体感が生まれて、商品開発へのモチベーションも高まりました。それに互いの顔が分かると、やっぱり「あの人のために頑張ろう」って思えるようになりますからね。
河本
そうですね。私も3社が同じ目線で課題に向き合い、解決に向けて取り組む姿勢を持つことが最も重要だと考えていましたが、同時に最も難しい点でもありました。それぞれが自分たちの要求を100%通せるわけではなく、歩み寄りが必要だったからです。例えばメーカーには、製造工程やライン変更といった、生産効率の低下リスクを伴う対応をお願いする必要がありました。
中川
一方で得意先にとっても、端材は生産量が安定しないので工場での製造予定が組みにくく、難易度の高い原料でした。通常の商品だと「100個欲しい」と言われれば100個用意できますが、端材の生産量は干し芋の生産量に応じて増減するため、コントロールが難しい。そこで私たち営業がメーカー・得意先と密に連携し、日々変動するスーパーマーケットでの販売状況を踏まえた綿密な計画立案を徹底することで、得意先の供給リスクを最小限に抑えることを提案し、ご理解を得ることができました。
益井
このプロジェクトの肝は、いわゆる「三方良し」のスキームを確立できたことです。メーカーは端材の廃棄コストやフードロスを削減することができ、得意先は低コストの仕入れで環境配慮型の商品を開発・販売することができ、国分はその間の流通を担うことができる。こういうビジネスって、誰かが得をしようとするとうまくいかないと思うんですよ。その意思疎通は高いハードルだったと思いますが、メンバーたちの働きかけと、各社の真摯な想いがあったからこそうまくいった、貴重な成功事例になったと思います。
河本
私もそう思います。特に干し芋メーカーは、自社の畑でサツマイモを育てている生産者としての側面もあったので、愛情を込めて育てた作物を自社の工場で捨てているという現状を何とかしたいという気持ちも強かったんだと思います。損得勘定よりも、メーカー、得意先が大きな課題に向けて一緒に新たな商品を作り上げる。そんなビジネスの理想を体現できたプロジェクトでしたね。
中川
社外だけじゃなくて、社内のつながりも強くなったと思います。私は二人をはじめデリカ推進課への信頼度がめちゃくちゃ上がりました。私たちは普段現場にいるので、直接関わる機会がそれほど多くないじゃないですか。それが、一緒に仕事をすることで人柄も分かるし、どんな動きを取ってくれるのかも分かるようになる。次からはもっと頼れるようになるし、相乗効果もどんどん生まれてくると思います。
古川
私も得意先に原料からの提案をするのは初めてだったので、益井さんと河本さんには何度も助けてもらいました。商品知識や得意先のバイヤーがどのような点を見ているのかなどを教わりましたし、益井さんにはレシピ作りまでサポートしてもらってすごく勉強になりました。
中川
え、益井さんがコロッケのレシピを作ったんですか?
益井
得意先に「私のオススメのレシピです」って言って提供したんです。もちろんそのまま採用されるわけじゃないけど、得意先としてもゼロからレシピを考えるよりは、元になる資料があるほうが楽だと思って。まあ、私が個人的にそういうことが好きでやっているだけで、普通はやらないと思います(笑)。
TALK_03
さらなる社会課題の解決に向け、取り組みを波及させていく
古川
さつまいもコロッケが無事に発売されて店頭に並んでいるのを見たときは、やっぱり達成感があって嬉しかったですね。それに、得意先がチラシでも大きく扱ってくれて。載るとは聞いていたけどここまで注目(または期待)してくれたのかと感動しました。ホームページでも写真を使ってくれたり、秋の特売企画で取り上げてくれたりと、積極的に販促を行ってくださったのは印象に残っています。
中川
私の得意先も、フードロス削減をアピールしつつ広く展開してくださって、お客様にも好評でした。私個人としても、普段は単独で動くことが多いから、こういうプロジェクト形式でチームを組んで動く経験は新鮮で楽しかったですね。
河本
元々、この干し芋メーカーと取引があったのは別の部署で、デリカ部門としては接点がほとんどなかったんです。それが巡り巡ってつながりができ、協業して成功事例を作って……という本プロジェクトの一連の流れは、自社でさまざまな間口を持っている国分だからこそできたことだと思います。製品を作る過程でどうしても発生してしまう端材や規格外品はメーカーにとって大きな悩みの種なんですが、「端材や規格外品が出ることも、国分さんがいるから怖くなくなりました」って言っていただけて。信頼してくださっているのが伝わってきたし、その後もいろいろなお困りごとを相談いただけるほどの関係性ができたのは、個人的には一番良かったなと思ってます。
益井
干し芋って、今すごく人気があるトレンド商品なんですよね。干し芋が売れれば売れるほど、端材もたくさん出てくる。すると我々も数量を確保しやすくなり、供給が安定していく。さつまいもコロッケは全国での発売も決まっているので、今後の展開が楽しみですね。もちろん、現実的にはまだたくさんの課題があります。端材をダンボール詰めしたり保管したり、メーカー側での負担は増えていきます。我々としても、発生した端材を100%使い切れているわけではないので、もっと販路を増やしていかなければならない。簡単にできることではありませんが、毎年続けていく中で改善して、より良くしていきたいですね。
中川
サツマイモという作物のイメージ上、今は秋に需要が集中しちゃってますしね。でも実は、サツマイモって1年間貯蔵が可能な食品なんですよ。だから端材は年中発生するし、さつまいもコロッケも年間を通して生産できる。何百種類もの商品がある中で埋もれることなく「来年もまたやりましょう」という流れを作り続けたいですね。
古川
私は学生時代から食に興味があって、「原料へのこだわりを持って食に携わる仕事がしたい」と考えていたんです。北海道で農業のアルバイトをしていたとき、規格に合わない作物が廃棄される様子を目の当たりにした経験から、一次産業の課題を知りました。国分を志望したのは、廃棄食材を無駄なく有効活用して豊かな世の中の実現に貢献したいと考えたからなんです。
河本
じゃあ、今回のプロジェクトで夢が叶ったんじゃないですか?
古川
はい。まさに今回のようなことをこの会社でやりたいと思っていたので、河本さんたちに声を掛けてもらったときからすごく前のめりでした(笑)。サツマイモに限らず世の中にはまだまだ廃棄されている食材はありますが、捨てられてるものを無駄なく使って、それを価値としてお客様に届けるスキームは、他でも応用できる場面はあるはずです。農産物だけじゃなく、海産物や畜産物でも展開していき、今後も一次産業の課題解決に貢献していきたいです。
中川
続けていくことが大事ですよね。たった一度きりでは社会への貢献も、環境への効果も小さい。今後も継続していくために、営業としてはしっかりと売上にもつなげていきたいですね。
益井
より多くの人に召し上がっていただくためには「捨てられるものを使いました」だけだと弱いかなって思っていて。価値をしっかりと見える化することが大事だと考えています。例えば、皮目の甘くて香り高いところを使っている点を訴求するとか、品種を絞ってブランド力を高めるとか、消費者の方々の心に届くような魅力をパッケージや売り場で表現して、魅力的な商品に育てていくことが次の課題ですね。
TALK_04
まだ世の中にない価値を創り、
食の未来を描こう
河本
プロジェクトが始まったときは成功させることができるのかプレッシャーもありましたが、想いに共感して一緒に動いてくれる社内外の仲間の存在に支えられました。今後も人と人のつながりを大切にしながら、このプロジェクトで得たノウハウを活用して提案先を広げ、持続性のある取り組みへと発展させていきたいです。
古川
世の中にはまだまだこのように捨てられている食材が多くあり、それが新たな価値の創造とSDGsへの貢献にもつながることを知る大切なきっかけになりました。近い将来、気候変動や地域風土の変化によって全国各地で地域の新たな特産品がどんどん生まれてくるような時代が来ると思います。そのときに、食の力で地域や生産者たちの役に立てる存在でありたい。私自身の軸である「廃棄される食材の活用」という手法で、地域の新たな農産物・海産物・畜産物のブランド化につなげていくことが目標です。
中川
廃棄される端材というマイナスの要素を、商品化によってプラスに変えるっていう仕事は純粋に楽しかった。この経験を活かして、いずれは世界のマーケットにも挑戦したいです。国内の得意先と協業して開発した商品を海外へ輸出するとともに、海外で余剰や課題のある食材を輸入し、付加価値を加えて国内で製品化・販売する。今回のプロジェクトを経験したことで、それも実現可能なチャレンジだと思えるようになりましたね。
益井
うん、とにかく楽しかったですよね。いろんな人と喜びを共有できて自分自身にとってもやりがいがあったし、社会の役に立てた実感もあった。プロジェクトを終えて、みんなと飲んだビールは格別に美味しかったです。今後も国分のサプライチェーンの架け橋となって、今回の成功体験を伝道師として広めていきたい。これから入社してくる皆さんもぜひ、私たちと力を合わせて新しい取り組みを成功させて、一緒に美味いビールを飲みましょう!
中川
国分には、社員のチャレンジを応援する風土がある。食材の再利用だけじゃなく、皆さん自身が関心のあるテーマでやりたいことを実現することもできます。ぜひ、皆さんの熱意を国分にぶつけに来てください。
古川
地域の生産者や事業者、行政の方々が抱える複雑な課題に対して、決して諦めずに最後まで寄り添って行動する。国分は、そんな人たちばかりの会社です。先輩方の背中を追いかけながら、私も切磋琢磨し続けていきたい。食に対して興味や探究心のある方、社会課題の解決に関わりたい方など、いろんな想いを持った方の入社を心からお待ちしています。
河本
食品と一言に言っても、酒類・菓子・惣菜などカテゴリーは多様で、販売先もスーパーマーケット、給食施設、テーマパーク、海外など、幅広く展開しています。無限に近い選択肢の中で、皆さんが自分の可能性を最大限に発揮できる場が必ず見つかるはずです。国分グループには、皆さんの想像を超える挑戦と成長の機会が待っていると思う。私たちと一緒に、食の未来を創る、やりがいのある仕事をしていきましょう!